何それと思った方は、この記事でへぇ〜っと思ってください。
文部省唱歌:朧月夜(おぼろづきよ) の歌詞の冒頭をお読みください。
菜の花畠に、入日薄れ、 見わたす山の端(は)、霞ふかし
高校の古文の時間に習った記憶が有りますが、清少納言の「枕草子」
の一節も併せてお読みください。
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎは少し明りて、……
秋は、夕暮れ。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、……
と、こんな風に、山際と山の端は使い分けられています。
簡単に言ってしまえば、次のようになります。
やまぎわ(山際) ……… 空が山に接する部分
やまのは(山の端) ……… 山が空に接する部分
???それって、同じ部分を言うんじゃないの???
その通り!
ただ、空から見て、山に接する部分を山際と言い、山の方から見て、
空に接する部分は、山の端っこですよね。だから、山の端と言うんです。
なあんだと思ったかもしれませんが、文章として考えた場合には、この
二つを使い分ける価値が出てきます。
トンビがピーヒョロロロと、山際すれすれを低く飛んでいる
トンビがピーヒョロロロと、山の端すれすれに飛んでいる。
どうですか、雰囲気が全く異なる情景だとは思いませんか。
どちらが、トンビの姿を視認しやすいでしょうか。
山際なら、空をバックに飛んでいますから、見やすいように思えます。
山の端だと、山がバックになってしまって、見えにくいように感じません
か。
全員が全員、同じようには感じられるものではないと思いますが、概ね
こんな解釈でよいと思います。
ちょいと薀蓄爺さんや、と呼ばれてしまうかもしれませんね。
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