2013年12月11日

山際と山の端

いきなりですが、皆さんは「山際と山の端」の違いを説明できますか。
何それと思った方は、この記事でへぇ〜っと思ってください。
文部省唱歌:朧月夜(おぼろづきよ) の歌詞の冒頭をお読みください。
菜の花畠に、入日薄れ、 見わたす山の端(は)、霞ふかし

高校の古文の時間に習った記憶が有りますが、清少納言の「枕草子」
の一節も併せてお読みください。
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎは少し明りて、……
秋は、夕暮れ。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、……

と、こんな風に、山際と山の端は使い分けられています。
簡単に言ってしまえば、次のようになります。

やまぎわ(山際) ……… 空が山に接する部分
やまのは(山の端) ……… 山が空に接する部分

???それって、同じ部分を言うんじゃないの???

その通り!
ただ、空から見て、山に接する部分を山際と言い、山の方から見て、
空に接する部分は、山の端っこですよね。だから、山の端と言うんです。

なあんだと思ったかもしれませんが、文章として考えた場合には、この
二つを使い分ける価値が出てきます。

トンビがピーヒョロロロと、山際すれすれを低く飛んでいる

トンビがピーヒョロロロと、山の端すれすれに飛んでいる。

どうですか、雰囲気が全く異なる情景だとは思いませんか。
どちらが、トンビの姿を視認しやすいでしょうか。
山際なら、空をバックに飛んでいますから、見やすいように思えます。
山の端だと、山がバックになってしまって、見えにくいように感じません
か。

全員が全員、同じようには感じられるものではないと思いますが、概ね
こんな解釈でよいと思います。
ちょいと薀蓄爺さんや、と呼ばれてしまうかもしれませんね。
posted by ホワイトミスト at 18:08| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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