すると、思いのほか難しい単語がポンポン使われていたことに、いまさらながら驚きました。
例えば、「函谷關(かんこくかん)も ものならず」この「函谷關」って何でしょう。と、聞かれて、すぐにこれは中国にある地名で、関所があった場所と答えられたら、あなたは相当なものですよ。
一文字目の「函」は、函館の函です。これは、四角く長い箱の意味で、函谷とは箱状の谷を表現したもののようです。そこにあった関所ということで、実際の場所は、洛陽から西に行った辺りの黄土層の切り立った崖の中を数キロメートルにわたって街道が通る地形を指すと物の本には書かれています。
その「函谷關(かんこくかん)」も「ものならず」といえるほど、箱根の山は急ですという意味の歌詞ですね。
だから冒頭に出てくる「天下の剣」は、鋭い山の峰々を指す言葉ですから、箱根の山は厳しい山々が連なっているということになります。
もう一つの単語は、「羊腸の小径」です。羊の腸の如く狭くて曲がりくねっているさまを指すのですが、これもさらっと歌ってしまったら、気が付かないでしょうね。
この二つの単語で、箱根の山はとても急で、道は狭くて曲がりくねっているので、とても危険な場所ですよと表しているのです。
他にも、歴史的背景を知らないと、理解できない単語が歌詞には使われています。
唱歌と言っても侮れないとは聞いていましたが、まさにその通りでした。ほかの唱歌の歌詞もじっくり見てみましょう。
きっと、へぇ〜〜〜〜と感じることが、いくつも発見できると思います。
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