だから、窓を開けて風さえ入ってくれば、昼寝をしていても家の中で熱中症になるなんてことは、考えられませんでした。
当時はエアコンなんて高根の花で、しかも、音がうるさくてあまり涼しさを感じた記憶が有りません。しかも、そのころのエアコンはコンプレッサーの能力が低かったので、エアコン用の井戸から水をくみ上げて空気を冷やし様な仕組みだったので、電気代はかなりかかっていたシロモノでした。
エアコンの排気熱は、その井戸水で奪われますから、今のように室外機からの熱風で、思わずたじろぐなんてことも有りませんでした。
しかも、育った町は、街路樹がきっちりと植えられており、雨が降っても最寄りの駅から自宅までは、ほぼ濡れることなく帰れるほど整備されていましたので、当然晴れた夏の日でも、木陰を伝って歩けば、直射日光を浴びる時間はかなり減らせることが出来ていましたから、その面でも熱中症や日射病などの危険性は非常に低かったのでしょうね。
今住んでいる町は、本当に木が少なくて、昔の大きな家の庭に密集している木が有るので辛うじて街に緑を見ることが出来ますが、木陰を伝って歩くなんてことはできません。そういった面での街作りはできていません。
やはり、道という道には必ず葉が生い茂る木が植えられていて、どんなに暑いでも、ほっとできる空間がそこかしこに設けられていてしかるべきだと思います。
実際、普段気にも留めていなかったような場所で、林に入った瞬間、涼しさを感じて思わず歩を緩めるなんて言うことが、有りますでしょう。
あの感覚をぜひ街中でも体験したいものです。
【関連する記事】