両方ともコンピューター通信用の機材を指します。
今はインターネットが常時接続されていることが当たり前になっていますが、ネットの最初の頃は通信コストが物凄く高価で、コストをいかに下げるかが、電算室の予算を組むことにおいて、最大の眼目であったのです。今のようにクラウドなんて言うサービスは有りませんでした。
私が使っていたシステムは、タイピング専用のマシンに通信機能を持たせたもので、データを音声信号に変調して、その音を普通の電話機で拾って、その回線が衛星回線を介して、アメリカの五大湖のほとりにコンピュターセンターに接続するという仕組みになっていました。
今のように多重通信などは視野に無い時代でしたから、衛星回線そのものが、接続している間は専用回線の意味を持つことになります。
これは、オンラインでとても贅沢な仕組みだということはお判りいただけるでしょう。ですから、少し接続しただけで、ン十万円も請求されることになります。
しかし、データをやり取するから時間がかかるのであって、データのみをいったん一方的に送ってしまい、いったん回線を切って、バッチ処理で計算を行った後、ころあいを見計らって再び接続して結果を受信すればよい仕組みを活用すれば、オンライン処理の費用より80%程度削減できました。
そのデータを送る仕組みに使われるのが、音響カプラーです。記事の最初の方で、「データを音声信号に変調して、その音を普通の電話機で拾う」とありますが、要は通信端末が出す音を、電話機で拾う時に、しっかりと外の音を遮断して、信号音だけを受話器にしっかりと送り届ける役目を負う機会が必要になります。音を接続することから、音響カプラーと呼ばれるのです。形としては、昔の家庭黒電話の受話器を、しっかりとはめ込む機構を持ったものです。
口で言うより、ネットで検索してみればすぐに出てきます。初めて目にしたら、何じゃぁこりゃぁと思う代物ですよ。この原始的な音響結合を、一台に機械の中で、信号変調して復調する機能を持たせたものが、MODEMです。modulator-demodulator変復調器が日本名です。
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