あのジャンボ機より大きなA380と、今やLCCの主力となっている小型機であるA320を、同一の免許で操縦を認める決定が下されたのです。
A380とA320と言ったら、機体の規模の差は、最大離陸重量で約7倍もの差が有ります。片や約560トン、方や片や80トンにも満たないのです。こんなに差が有ったのなら、当然ながらいくら飛行特性が似ているからと言って、操舵に対する反応は、全く異なると思うのですが、エアバスと航空局は、今回の決定を下したのです。
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混合乗務「Mixed Fleet Flying(MFF)」を承認
エアバス社の旅客機の多くは「フライ・バイ・ワイヤ(電気制御で飛行するシステム)」が採用されており、機体の大きさにかかわらず、システムやコントロールパネル、操縦手順について共通化が図られているので、MFFはこの点を活かし、資格を有したパイロットが1機種以上のエアバス機を並行し定期的に乗務できる
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過去にこうした例が無かったわけでなく、ボーイングのB757とB767は共通コックピットということで、一つの免許で二つの機種が操縦できました。しかし、一般にあまり認知されることは有りません。それというのも、B757は決して商業的に成功した機体ではなかったからだと思われます。
今回は機体規模がこんなにも違うのに混合での乗務が許可されたということが、あまりにもセンセーショナルだったので、ニュースとして取り上げられたのでしょう。
昔からの飛行機好きである私の感性は、機体重量差による慣性モーメントの違いのコントロールが、「フライ・バイ・ワイヤだから」で解消できると思えないのですが………。
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