それは、ご飯のお茶碗へのよそり方です。(よそうとも言います。漢字で「装う」「粧う」と書きますので、よそう が正しいと主張する方もいますが、よそる でも正しいとされています。 )
しゃもじを持つ手の所作が美しい・よそられたご飯が美しい そして、極めつけは、食べておいしい。
子どもの時に、御茶碗にご飯を山盛りにすると怒られた経験をお持ちの方は多いでしょう。ではというので、今度はご飯をぎゅっと押して、普通盛りのように見えて実は2杯分くらい詰めたことがある人もいると思います。
そして、このぎゅっと詰めたご飯とサクッと山盛りのご飯とでは、味が全然違うことを感じたことも有るでしょう。
どちらが美味しかったですか?当然、ぎゅっと詰めたほうが美味しいなんていう人は、ごめんなさい…続きは読まないでください。
ご飯はサクッと盛りつけたほうが格段に美味しい食べ物なんです。だから、コンビニで売っているおにぎりをたくさん食べている人は、自然とそういう握り方、そう、空気が上手に含まれている優しく握られたおにぎりの方がおいしいことを。
これと同じで、美味しいと言われている定食屋のご飯は、ツヤが良いだけでなく、上手にサクッと盛られています。実は、お米は結構潰れやすいものですから、潰れてしまうと食感がべちゃっとしてしまうんです。永年、定食屋という商売を営んでいる人のご飯の盛り方は、実はしゃもじは上を向いたままだというのが、大事なコツなんです。
しゃもじを手首で返してご飯をよそう方法は、潰しているような感じがしてして少しも美しくないんです。
まして、サービスのつもりで、ぎゅっと押す店員さんはサービスの本質を思い違いをしているのです。誰かかが教えてあげないと、これはいつまでたっても治りません。たまたま今日入った蒲田にできた新しいとんかつ屋で、この美味しいよそり方と味を落とすよそり方をする店員が両方いたので、こんな記事を書きたくなったのです。
別にとんかつ屋さんでも何でも良いのですが、ご飯のよそり方をこの記事のようにしてみてください。きっとあまりの違いに驚かれるでしょう。
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