スマートフォンの電池寿命は、以前の電池だったらとんでもなく短くなってしまい、今のような沢山のアプリケーションソフトを搭載することなど、到底できなかったはずです。
しかし、大容量で充放電の回数もかなり多くて、しかも充放電時の制約がわりに少ないという特性がありますので、今のケイタイ文化はリチウムイオン電池なしには成り立たないと言っても良いくらい重要な製品です。
ただ、欠点が無いわけではなく、製品の管理がしっかりしていないと火災を起こします。現に中国の製品の中には粗悪品がかなり混じっていて、劣化した電池に充電すると爆発を起こすなどの報道が、最近とみに増えてきています。
これは一つには、電解質に有機溶剤を使っているためなんです。熱によって液体は膨張しますから、しっかりしたケースに収める必要がありますが、この部分のコストをケチると初期性能は出ていても、経年劣化によって事故を起こす可能性が高まります。
現実に大幅な電動化を進めたボーイング787は、初期に随分リチウムイオンに苦しめられたことを覚えている方も多いでしょう。
こうした欠点を無くして、急速充電の機能を高め充電密度もあげられるような電池の開発が進められているのです。
それが、全個体電池と称されるもので、電解液までも個体にしてあるので、電池の劣化がゆっくりで、かつ、急速充電にも対応できるのです。
まだ製造技術が未熟なので、そう簡単に現行の電池と置き換わることはないでしょうが、その卓越した性能への期待は、本当に大きいものが有ります。
現実に、イギリスのロールスロイス社が、電動の単発機を開発して、最高時速も600Kmを超えるものが出来たと伝えています。
まだまだ未知の世界は大きいのですね。
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