「ナニ、ナニ?」と思わず、耳に指を入れた途端、またも一段と大きな音で「ガサッ」左耳はなんでもなく、右耳だけがとてもうるさいのです。
何がどうなったらこんなに大きな音が聞こえるのか?
少し気味悪くなり、慌てて鏡の前へ。じっくり見ても、何も分からず、何気なく目を右耳の方の思い切り向けたら、何やら細い白っぽいものが見えました。背景が黒っぽいところに耳たぶが写るように体をずらすと、有りました、その音の原因が。何とやや短い白髪だったのです。
これと似たようなことと言えば、指先のささくれが有ります。本当に小さな爪の生え際の皮膚のささくれは、本当に痛いものです。其れなのに、パッと目には見つからないほど小さいものです。
人間の感覚は、時に異常を感知する能力を全開する時が有ります。其れの典型的な例を誇張すると超能力の危ない世界に入ってしまいますが、その一歩手前で、危うく難を逃れたというたぐいの話は、かなりいろいろなメディアで紹介されています。
平常時でも、研ぎ澄まされた職人の感覚は、一般人と比較したら、驚くほどの差となります。
例えば、高精度の大口径のレンズを研磨する作業の最後の仕上げでは、レンズ表面の何ミクロンという世界の凸凹を指の腹で探知し、そこを研磨剤を指先にホンの少しだけ付けて本当に一撫でくらいしかしないのに、電子顕微鏡で拡大してみると、見事に平らになった表面が映し出されているのです。こんな画像を見ると、とてもこの領域には入ることはできないと思ってしまいますが、さにあらず。
リンゴの選別をしている方だって、最初は何も分からずただ感覚を養っていますが、何年か経つとそれなりにリンゴを持っただけで正確な重さを当てられるようになると言います。
事程左様に、人間の能力は、ある部分に特化すれば、とんでもない力を持つことができるのです。
さぁ、あなたはどんな能力を開発していきますか。
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