でも、もっと小さな家庭用に開発された風力発電機も有るのです。では、なぜあんな大きなものと家庭用なんて言う区別が出来てしまったんでしょうか。それは、風の性質によるのですね。低山でも平均風速は8〜9m/sはあります。ただ、あんな大きな風車は危険ですので、人が立ち入れないようなエリアに設置されているのです。
対して、市街地での平均風速は、2〜3m/sと言われています。これくらいの風力では、以前は風車を回して発電するというレベルにまでは到達できなかったんです。しかし、力学的な研究が進んで、様々な形状が考案され、今ではかなり微弱な風でも発電できるようにはなってきました。しかし、絶対的に大きな発電量を求めるとなると、風がもっと定常的に強く吹く場所が必然的に必要とされてきます。
そのための第一歩は、少しでも高いところに風車を設置することが基本です。ただ、むやみ高いところに設置すると、後々のメンテナンスが大変で、その費用がバカになりません。ですから、装置までのアプローチが容易で、しかも、あまり人家に近くなく標高が稼げるという条件を課すと、意外に個人の庭レベルでは難しいことが分かります。
モニュメント的に設置するならまだしも、本来の目的は自宅の電力を賄えることと、もし余剰が出るならばそれを売ることです。
今の法律では、20Kw以下の小型風力発電機からの電力が、比較的高い価格で売れるようです。
日本での実績がある風力発電装置は、ゼファーという会社が製作しているものが有名です。低騒音で高効率なのがウリです。
で、性能はどうかと言えば、風速に応じて出力が変動するのは当たり前として、2.5m/sで発電可能となり、この時の出力はたったの27Wです。この機器の定格は12.5m/sの時のもので出力は1000Wです。最大運用風力は50m/sでこの時には3200Wもの発電が可能です。このタイプの本体価格は50万円くらいだとのことです。これに、インバーターを付加して出力を平たんにする必要が有ります。
実際には、更に蓄電池と組み合わせて、非常用電源用途に振った設置が一般的です。
何と言っても、この機種は小さいです。羽の直径は、1.8mしかありません。ちょっとした田舎で、広い土地持ちで丘でもあれば、絶好のロケーションと言えます。共同で100機程度纏めて設置すれば、それなりの売電も可能になると思います。もっともその場合は、もう少し上位の機種の方が、コストパフォーマンスは優れているでしょうね。
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