2023年01月31日

男だって使うべきよ

この題名そのものが、ある商品のキャッチコピーでした。何はともあれ、以下の写真をご覧ください。
花王.png

これは、私の生家で実際にこの商品を売っていた時の入れ物の蓋を開けた時に現れる印刷です。なんと我が家にはこの入れ物が三つも残されています。ブリキ製で、作りがしっかりしており、写真のフィルムを整理するのに、ちょうど良いサイズだったので、今も重宝に使っています。
商品は、ずばり、花王石鹸(現・花王株式会社)が発売していた、髪を洗う専用の粉せっけんです。
発売してから、ずっとこの写真を使っていました。中身は、女性が一回で使い切るだけのシャンプーの粉が入っていました。二袋つながっている形が販売単位で、一つ10円でした。つまり、一回当たり5円の勘定です。

昭和30年代を通して、この意匠はずっと変わらなかったですね。このキャッチコピーはどこから来たかと言えば、当時の男性は固形石鹸を泡立てて、その泡で髪の毛を洗うのが普通の事でした。それを、シャンプーに変えてみませんかというキャッチコピーだったんです。
時代を変える製品の端緒でもありました。

で、元々長い髪の女性用として一袋の粉の量が決められていましたので、男性にはもったいないということで、一袋を二回に分けて使う方も大勢いました。これなら、一回で2円50銭となります。固形せっけんで事足れりとする男性にとっては、シャンプーはまだ「高い。」ものだったのです。ですから当時は、たった10円のシャンプーを、「1個ください」ということが普通に言えた時代でもあります。
流石に、売り出して数年たつと5セット(10袋)を輪ゴムで止めて、50円で販売するようにはなっていました。

で、使用法は言えば、まず、袋を破いて軽く口を開けておきます。次に、片手にシャンプーの粉を半分くらい入れて、お湯を少し垂らして軽く練って、さらに湯を垂らしてやや緩くした状態で髪の毛を洗うのです。そして、ざっと泡を一回流して、残りの半分を同じようにお湯で溶いてもう一回髪の毛を洗うのが、一般的でした。この説明でもわかるように、半分ずつ二回使うのが女性で、一回しか使わないのが男性というわけです。

今のように、ボトルでガンガン洗う姿は、当時は全く考えられませんでした。それだけ、メーカーの戦略に嵌ったということなんでしょう。
posted by ホワイトミスト at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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