2022年10月05日

高倍率ズーム

マイクロフォーサース規格は、良い面悪い面が有りますが、装着するレンズの焦点距離を見て感じる重さよりも、より軽くすることができるのが最大の魅力です。フルサイズのほぼ半分くらいのサイズ感と重量なので、今までのカメラを振り回していた第一線のカメラマンでも一度その軽さと大きさに慣れてしまうと、後戻りが難しいようです。

それほど、この規格は魅力あるものですが、それをさらにさらに駄目押しをするレンズが有るんです。
それが、オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED12-100mmF4.0 IS PRO です。
フルサイズ換算だと、驚異の24-200mmになります。しかも鏡胴の長さは116.5mmしかないんです。
それでいて、倍率は8.3倍に達します。

焦点域全域でF4.0を掲げており、かつ、絞りも7枚の円形絞りを採用していますので、正に怖いものなしです。
そして、これの兄弟的なレンズとして、オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 が有ります。こちらはPROの冠は付きませんが、航空機の写真を撮るなら、まさにこれ一本です。
フルサイズ換算で24〜400mmが軽々と持てて、しかも強力なブレ対策のシステムが有りますから、長玉であってもややスローシャッターでも怖くありません。

まめな人なら、交換レンズをささっと付け替えることができるかもしれませんが、航空ショーの途中でレンズ交換なんてありえません。
となると、次善の策としてカメラを2台持って、ということが考えられ実際にそうしている人たちがいることは間違いありません。しかし、いかんせんお金がかかります。そして、荷物が多く重くなります。

機動力が削がれれば、写欲が落ちます。写欲が落ちれば、必然的にシャッターを押す回数が減ります。
良い写真は数多くシャッターを切る数に比例します。フィルムカメラ全盛の頃、高名な写真家が病床でもからシャッターを切り続けたというのは有名な話です。高機能で高機動、マイクロフォーサーズは、これからのスタンダードです。フルサイズは、大艦巨砲時代の最後のあだ花になるかもしれませんね。
posted by ホワイトミスト at 01:15| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月08日

ハッセルブラッド

ハッセルブラッドと言えば、航空機搭載用カメラとして名を馳せたスウェーデンのカメラメーカーですが、6X6(通称ロクロクバン)の中型カメラを、ミラーレスタイプでリリースしてきました。4X5サイズ(フルサイズ)より一回り大きい撮像素子なので、一億画素のスペックで登場してきました。当然と言えば当然ですが、これだけの画素数で中判カメラなら、またまた当然ながら撮影された画像は高精細なのでしょうが、いかんせんお値段が………。

本体と標準レンズで、200万円くらいにはなります。それでも、昔の二眼レフタイプの時代のハッセルブラッドを思ったら、相対的に安くなっていますが、でも、絶対額を見ると購入できる層は相当に限られてきますね。
おそらく、カメラ雑誌の批評を行う諸先生方は、メーカーから借り出すのでしょう。

ここで、注目したいのは休刊となった「カメラマン」誌のリターンムックです。今まで、言いたい放題で人気を博し、休刊後にも拘らず、5号も市場に投入してきました。この雑誌のウリであるワイワイガヤガヤ評論で、この新型ハッセルブラッドがどう料理されるのか、とても興味が有ります。何しろ、言いたいことを抑えられてきた諸先生方が、スポンサーを意識せずに喋り捲る企画だけの本なので、その特色を維持できるかとても気になります。

対して、中判カメラをあまり取り上げる機会の無かった「デジタルカメラマガジン」「CAPA」は、論評を加えてくるのか、はたまた、市場性の低さから存在を無視するのか、全く予測が付きません。
ただ、間違いなく食いつくのがエプソンとキャノンのプリンター部門でしょう。

既にフルサイズの5千万画素クラスは、どちらのプリンター技術もクリアーしてきているでしょうが、生の一億画素のデータをどの程度描けるのか、これまた興味津々の世界です。
これで、技術開発競争のハードルが、また一段上がったことは間違いないようです。

一つだけ残念なのが、いまやハッセルブラッドは中国の資本傘下に甘んじているということなんです。
posted by ホワイトミスト at 23:54| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月07日

35年前の写真集

飛行機が好きで、高名な写真家が撮影した写真集は結構な数を購入しています。
他にも、星の写真や風景・鉄道・F-1・花の写真集も、我が家の本棚にはかなりの数並んでします。
写真集ですから、時折すっと取り出して見入るのですが、気が付くと見ている本の大部分が、この数年内に購入したものばかりで、以前のものはほとんど見ていないのです。

疑問に思って、試しに購入したばかりの頃は、毎日のようにカバンに入れた持ち歩いていた本を引っ張り出してみました。
理由は簡単に分かりました。写真の精緻度が全く違うのです。言葉を変えれば、細かい部分の表示能力が全く異なっているということなんです。一番顕著に分かるのは、空です。飛行機のバックに空は当たり前のように写っていますね。その空の粒子感が、古い本ではもろに写り込んでしまっています。

カラーはそうでもないのですが、モノクロはしっかりと滑らかなはずの空が、細かい粒粒で埋め尽くされているのです。
つまり、今の写真の方が画素が細かいということなんです。
デジカメが発売された当初は、30万画素くらいでトイカメラより写りが悪いと酷評されたものです。

そのころの写真雑誌によれば、「デジカメは銀塩写真クラスの表現力を持たせるなら、2000万画素くらいは必要。」
今はどうでしょう。撮像素子面積の小さいフォーサーズでさえ、2500万画素を超えています。フルサイズに至っては4500万画素クラスでないと、販売の訴求ポイントにはならないと言われるほど、高画素化が進んでします。

だから、毎年のように買い揃えてきた写真集に掲載されている写真も、銀写真オンリー ⇒ 銀塩+デジタル ⇒ デジタルオンリー の時代を通過してきたのです。だから、最近のものは精細な表示が極めて普通になってしまい、以前の銀塩の写真集は、色褪せて見えたのです。
そして、忘れてならないので、原画の質が上がれば、印刷技術も向上させなければなりません。その相乗効果も、写真集の品質が大きく向上した要因だと思います。

オーディオのメディアが、レコードからCDに変わった時の激しい変化の流れと同じことが起きていたのです。
posted by ホワイトミスト at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする