2023年03月19日

中島みゆき 俱に

中島みゆきのニューアルバムとそのシングルカットが発売されました。本当に久しぶりに何のタイアップも無しにです。
そして、シングル「俱に」のその歌唱法について、一言。
昔であればとっくに年寄り声になっている年齢ですが、その気配は全く感じられないのはファンにとっては朗報です。
もっとも、声の老いを感じたら、本人は潔く引退するでしょうけれど。

それはともかく、今回のシングルの歌い方は、弱音部と強音部で二種類の声を使っています。
元々、彼女のアルバムの初期は、一作ごとに歌い方を変えて、毎回ファンを幻惑させたものです。
それが、もう少し時代が下ると、曲ごとに歌唱法が変わるようになってきました。

そして、近年は、曲の中でも歌唱法を変えてきています。彼女の歌唱法はいくつかありますが、朗々と歌う・シャウトする・すぼめ気味の口からのか細めの発声・語りかけ調・音程をふらつかせる・字あまり早口・そして、極めて普通のオリジナルの発声とありますが、「俱に」はか細目の発声と朗々手前の発声で組み合わされています。

丸ごとみゆき様というファンならいざ知らず、そこそこのファンにとっては、少し食い足りない発声のように聞こえるか細さは、しかし、年を経て再度聞き直すと、これが意外や別の力を持っていたことに気付かされることが多いのです。今回のシングルもそんな部類だと思いますが、これは自分によほど自信が無ければできない冒険ではないでしょうか。

「さぁ、どう、今回の作品をあなた受け止めれるかしら。」と、挑発されるような気にされる面を彼女の作品群は持っています。
それが、曲が持つ強さと普遍性ではないかと言うのが近年の私の私的見解です。どんな風に解釈しようが、歌手は作品を発表したら、その後は、聞き手の解釈にゆだねられていきます。そこで、曲に共鳴する人がどれだけがいるかで、ヒットチャートをどれだけ上れるかの結果となって作者の元にフィードバックされるわけです。

そういったことを考えれば、歌手という職業は、よほど確固とした自分を持っていなければ務まりませんね。
ラベル:俱に 歌唱法 自信
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2022年10月16日

永遠の嘘をついてくれ

「永遠の嘘をついてくれ 」これぞ、中島みゆきの真骨頂!早口ソングならピカ一と思われていた吉田拓郎に書き下ろしたこの歌は、実は中島みゆきの歌唱の方が同じ早口でも、大量の歌詞をメロディラインにうまく乗せています。自分で作ったのだから当然という方もいるでしょうが、この歌のユーチューブ映像を見て貰えれば、その差は歴然です。

早口ソングで有名なのが、ミスターチルドレンの「名もなき詩」です。ミスチル得意の大サビの部分で、「…成り行きまかせの…」以下65文字を、一気に歌いきる部分は、素人には絶対挑戦不可能なほどのデータ量です。これを桜井和寿は楽々と謳い切ってしまうのですから恐れ入りました?の範疇ではありますが、この「永遠の嘘をついてくれ」でも、超高難度早口歌唱が要求されます。
ライブ映像URL https://www.youtube.com/watch?v=gj5Nu6feFTQ

歌手というものは、本当のプロである一群と、地声でも人気が出てあまり歌唱力はなくても良いとされている一群がいます。
人気が有るのですから文句を言う筋合いではないのですが、やはり歌手としてプロの実力を自他ともに認める存在になって欲しいと思います。
その点、吉田拓郎・中島みゆき・桜井和寿らは間違いなく一級品の実力を持っています。

早口歌唱はある意味冒険です。年齢を重ねて発声速度が遅くなった時にも、同じように謳えなければ、ファンの欲求を満たすことができません。それは、全盛期には楽々カバーしていた低音域・高音域を、露出機会が減っていった後も同じように声が出せるかという命題と一緒です。
若い時は、いくらでも音域を広げていこうとするチャレンジングな面が前面に出てきます。早口も同じです。

しっかりバラードがいくらうまく歌えても、歌手自身が発表してしまった過去の難度の高い曲については、当然ながらファンからしてみれば同じように歌い上げて欲しい願望は有っても、そのレパートリーを回避してしまうことはもとより、仮に歌ったとしても往年の輝きが失せてしまえば、この歌手はもう終わりだと判断されてしまう運命にあります。

プロ歌手の世界はそれほど厳しいものです。
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2022年09月28日

中島みゆき・月9主題歌

10月10日から始まるCX系の月9ドラマ「PICU 小児集中治療室」の主題歌に、中島みゆきの「俱に」が決定したとのニュースが、9月27日各マスコミが一斉に取り上げました。曲そのものはまだお預けですが、壮大なバラードというキャッチコピーがすでに洩れ伝わってきていますので、かなり期待できそうです。

ヤマハ-ポニーキャニオン-フジテレビと、過去にいくつも大ヒット曲を生み出してきた強力タッグは、中島みゆきにとっても、与しやすいものであったでしょう。ラストツアーコンサートが中途半端に終わってしまい、その後の活動が見えなかったのですが、記事によればニューアルバム制作中の話であり、新曲の中からの一曲ということで、話題性は十分です。

デビュー当時からのファンである私には、良いプレゼントになりそうです。
やはり、歌手は輝き続けてこそのものであり、活動が伝わってこなければ「いったい何をしているのだろう。」とやきもきさせられてしまいます。これで、テレビでも歌声を聞けますし、間もなくニューアルバムもリリースされますから、わくわくとした気持ちで当分いられます。
ドラマそのものは初回を見てみなければ、何とも言えませんが、初回30分延長とありますから、制作側の意気込みも伝わってこようというものです。

それにしても、シンガーソングライターの肩書を輝かせ続ける原動力って、いったいどこから来るのでしょう。過去に発表した曲に、あまり類似させないで数百曲を世に送り出しているのですから、本当に才能が枯れないのだなと感心してしまいます。彼女に匹敵する才能を持つ日本のアーティストは、ミスターチルドレンの桜井和寿ぐらいではないでしょうか。

金太郎飴のごとき楽曲を発表し続けて、マンネリに浸るファンに支えられているデュオ・トリオ・グループが存在しますが、やはりファンはオリジナリティの高さを見せつけて欲しいのです。そして、その世界がますます広がることを願っています。
10月10日が、楽しみです。
posted by ホワイトミスト at 01:20| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 中島みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする