2024年04月24日

中島みゆきの瞬発力

話は、中島みゆきがオールナイトニッポンをやっていたころのエピソードです。
聴取者から送られてくるはがきを読みながら、快速の笑いを届け底抜けに明るい中島みゆきのその声を聴きたくて、月曜日の夜はつい夜更かしが続き、翌日の授業がたまらなく眠いということを繰り返していました。

かなり、面白さを通りこすくらいの凄いお便りも数多くありましたが、そのお便りを読んだ後の中島みゆきの反応が、また驚くほど適確でした。
例えば、「霧に走る」という曲の歌詞をもじって、「今夜となりにすわっているのは、鯉・鹿・猫だと思っているの」というお便りがきました。
原曲は、「小石か猫」なので、「車の中は動物園かい?」て反応をすぐにしてくるのです。

さらには、「一人上手(ひとりじょうず)」という曲名にたいして、「ひとりうわて」と来たお便りに対しては、「スポーティな歌何やわ。」と反応しています。曲名に関してはもう一つあって、これはコンサートでの語りにあったのですが、「浅い眠り」という曲では、「朝、居眠り。」と来たので、二度寝の歌かいと言ったような記憶が有ります。(これは、うろ覚えです。)

とにかく、オールナイトニッポンを初めて聞いた中島みゆきのファンの反応は、およそ信じられないほど明るさをもって、DJをこなしており、そのギャップに驚くと記事になるほどの衝撃を受けた方も多いでしょうね。

で、もうひとつ、オールナイトニッポンでの逸話が有ります。
面白いはがきを読んだとき、「握手券」なるハンコを押すのですが、ADのポチが有るとき、そのハンコを押すタイミングを見計らって、はがきをさっと移動させてしまったのですが、その習慣、彼女の口から出た言葉が、「アッ、コンニャロ!」。で、間髪を入れず「あら、私って、はしたないわ。」と来たのです。

そして、レギュラーの最後の日の最後の言葉が、「私は歌に走ります。」だったのです。
事実そのあと、あれだけの歌唱ができている人が、さらにボストレーニングをし始めたと聞いて、プロとしても自覚が強い人なんだと改めて感じ入ったものです。
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2024年02月05日

麦の唄 ロングトーン

中島みゆきの代表曲の一つになったNHK朝の連ドラ「マッサン」の主題歌「麦の唄」に、歌手としての力量を示す大きなポイントがあったことにお気づきでしょうか。何気なく聞いていれば聞き流してしまうかもしれないのですが、そこはそれ、贔屓の耳は侮れない?ことを、ここで言いたいのです。……なんて、ちょっと大げさでした。

それは、この曲の後半に差し掛かる部分です。それは2番が終わって、オオサビの最後の部分で、歌詞は、「届いてくる 未来の故郷から〜〜〜〜〜。」です。注目すべき箇所は、「〜〜〜〜〜」です。ここは、「どんなときも届いてくる・・・」で歌いだして、「・・・故郷から〜〜〜〜〜」と息継ぎなしでの歌唱となっていますが、普通なら息継ぎするところから「〜〜〜〜〜」を歌い終わるまで、約8小節に渡って通常の声量と何ら変わりなく発声し続けています。

はい、ここで全曲を注意深く聞いてみてください。
・・・・・・・・・・・・・・・・
いかがでした。もし、実感が湧かなかったら、実際に旋律に合わせて自分なりの声量で歌ってみてください。

大概の方が、息切れすると思います。息切れしないまでも、声量が小さくなってしまうことでしょう。
プロの歌手ならそれくらいなんでもない?いいえ、なんでもあります。歌いだしではなく、かなり熱唱してからのさびですから、ブレスコントロールがしっかりできていないと、かなり息継ぎのタイミングが問題になってくるでしょう。

歌手の力量を図る一つの目安として「ロングトーン」が有ります。ロングトーンは声を安定した声量でどのくらい長く出し続けられるかを指しています。これは、一般人ならせいぜい10秒持ったらよい方です。
30秒も持ったら、それは拍手喝采ものいやそれ以上の実力を思ってください。

今回取り上げた部分は、優にそれくらいの秒数をカウントするほどの長さです。年齢って、彼女にはちょっかいも出せ無いのでしょうか。
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2023年03月19日

中島みゆき 俱に

中島みゆきのニューアルバムとそのシングルカットが発売されました。本当に久しぶりに何のタイアップも無しにです。
そして、シングル「俱に」のその歌唱法について、一言。
昔であればとっくに年寄り声になっている年齢ですが、その気配は全く感じられないのはファンにとっては朗報です。
もっとも、声の老いを感じたら、本人は潔く引退するでしょうけれど。

それはともかく、今回のシングルの歌い方は、弱音部と強音部で二種類の声を使っています。
元々、彼女のアルバムの初期は、一作ごとに歌い方を変えて、毎回ファンを幻惑させたものです。
それが、もう少し時代が下ると、曲ごとに歌唱法が変わるようになってきました。

そして、近年は、曲の中でも歌唱法を変えてきています。彼女の歌唱法はいくつかありますが、朗々と歌う・シャウトする・すぼめ気味の口からのか細めの発声・語りかけ調・音程をふらつかせる・字あまり早口・そして、極めて普通のオリジナルの発声とありますが、「俱に」はか細目の発声と朗々手前の発声で組み合わされています。

丸ごとみゆき様というファンならいざ知らず、そこそこのファンにとっては、少し食い足りない発声のように聞こえるか細さは、しかし、年を経て再度聞き直すと、これが意外や別の力を持っていたことに気付かされることが多いのです。今回のシングルもそんな部類だと思いますが、これは自分によほど自信が無ければできない冒険ではないでしょうか。

「さぁ、どう、今回の作品をあなた受け止めれるかしら。」と、挑発されるような気にされる面を彼女の作品群は持っています。
それが、曲が持つ強さと普遍性ではないかと言うのが近年の私の私的見解です。どんな風に解釈しようが、歌手は作品を発表したら、その後は、聞き手の解釈にゆだねられていきます。そこで、曲に共鳴する人がどれだけがいるかで、ヒットチャートをどれだけ上れるかの結果となって作者の元にフィードバックされるわけです。

そういったことを考えれば、歌手という職業は、よほど確固とした自分を持っていなければ務まりませんね。
ラベル:俱に 歌唱法 自信
posted by ホワイトミスト at 01:42| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 中島みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする